
こういった疑問に答えます。
この記事を書いている僕は、企業でSEOの内部改善に関する業務を4年ほど請け負っています。
今回は、2019年10月のGoogleのBERTアップデートについて、概要や対策方法について解説します。
BERTアップデートとは?

Googleは2019年10月25日に新アルゴリズム「BERT」を採用したと発表しました。
※発表があった公式サイトはこちらです。
「自然言語処理」とは、人間が普段会話する言葉を機械でも理解ができるような形に変換する技術のことです。
BERTは、この自然言語処理の画期的な技術で、機械が高精度で文章を理解できるようになります。
ちなみに、BERTの技術的な内容はこちらの公式記事で、詳しく述べられています。
BERTアップデートで変わること

今まではGoogleで検索する際には、キーワードで検索する必要がありました。
Googleが公式で出している具体例によると下記のとおりです。
以前までは、一般的な処方箋の受け取り方についてのページが上位表示されていました。しかし、今では検索意図どおり、家族や友人のために処方箋を受け取れるかどうか説明したページが出ています。
BERTアップデートによって「for someone」という文脈が理解できるようになったということですね。
英語の例なのでわかりにくいかもですが、もう一つ例を出すと下記の感じです。
このようにBERTアップデートによって、検索キーワードが文章であっても、検索意図をGoogleが読み取りやすくなりました。
さらに、こういった改善が見られた検索クエリは、全体の1割にものぼったそうです。検索回数全体から考えると、かなり大きな影響を与えていますね。
注意点として、BERTアップデートは、現在では日本の検索アルゴリズムには対応されていません。
そのため、日本の検索結果においても、BERTアルゴリズムの影響は少なからず受けていると考えてよいでしょう。
BERTアップデートの背景

Googleが今回このような最先端の自然言語処理技術を活用しているのには、いくつか理由があります。
たとえば下記のとおりです。
- 検索クエリが複雑化している
- 音声検索の普及を見込んでいる
検索クエリが複雑化している
世界で毎日検索されるキーワードのうち、15%は今までに検索されたことのないキーワードとよく言われますが、それくらい日々検索キーワードは変化しています。
社会の変化が加速する中、この変化が止まることは無いでしょう。
また、スマホの普及によって検索を使う人自体もなんだかんだ増えているはずですし、それに伴い、検索慣れしていない人も増えています。
こういったことから、文章クエリに対して対応する必要性にGoogleは常に迫られているわけです。
音声検索の普及を見込んでいる
もう一つのBERT導入の理由として、将来の音声検索を見越しての準備という面もあります。
Google Homeといったスマートスピーカーは今後普及が進むはずです。
そのためには自然言語処理技術は必要不可欠で、その一環としてBERTの導入にもつながったのでしょう。
こういった背景もあり、BERTアップデートが導入されました。
BERTアップデートの対策方法について

さて、このようなBERTアップデートですが、サイトを運営する立場としては具体的に何をすれば良いのでしょうか?
なぜなら、今回のアップデートで検索結果が改善されるクエリは、「文章」であるためです。
そのため対策しようがないということですね。
とはいえ、強いて言えば下記のようなことは意識したほうが良いですね。
- 記事中の文章は、Googleが理解しやすいよう、主語を明示したり意識して丁寧に書く
- サーチコンソールで定期的に流入キーワードを確認。文章があれば、その検索意図を考慮してリライト検討
余裕があれば頭に入れておくと良いでしょう。
BERTアップデート後もやることは同じ
このようにBERTは全検索の1割に影響を及ぼすほど、大きな変更でした。
Googleの公式情報でも、過去数年で最も大きな変更だと言っています。
とはいえ、サイト運営者ができることは少ないので、これまで通り、検索意図を読み取った質の高い記事を公開していくしか無いですね。
以上、BERTについての解説でした。